ごっそり溜まっていた己の仕事では無い書類の山をやっと片付け、エドはため息と共にリビングのドアを着替えるのも忘れて開ける。
 途端に目に写るというか飛び込んできたのは満面の笑み全開の弟、アルフォンスの顔だった。
「兄さんお帰り!今か今かと待ってたよーーーー!!」
 両手を広げ力任せにエドの身体を抱き締めようとしたその顔をアイアンクロー宜しく右手で受け止めるとエドはそのまま弟を横に放り投げる。
「どさくさ紛れに抱きつこうとするなボケ弟、只今帰ってやったありがたく思いやがれ」
「相変わらず恥ずかしがり屋さんだなぁもう、でもそんな所が可愛いよ兄さん」
 本気の口調でそんな事を言いつつうっとりと兄の顔を眺める弟のその状況にエドは軽い目眩を覚えた。
「…二十過ぎた男に可愛いなんて言葉は褒め言葉にもならん。それより兄ちゃんが心配なのはお前のそのどっかイッちまった頭脳と神経だ。何処か良い病院でも探してやる、それが駄目ならオレが引導渡してやるから大人敷く待ってろ」
「大丈夫、そんな事しても診察の時はいつもの様に猫被ってみせるからって言うか人の事キ○ガイ扱いしないでくれない?別に誰彼構わずこんな事言ってる訳じゃないんだし」
「じゃあなんでオレにそんな事言うんだよ」
「それはねぇ…?」
 エドの疑問にアルはにっこりと笑う。だけどその顔に狂気の縁なんて微塵も見えやしない。
 だがしかし!
 その後に続けられた言葉は誰が聞いても目眩を催すどころか卒倒しそうな程のレベルを持っていた。
「ボクが兄さんのその声や仕草やふとした時に見せる笑顔とかボクの下で可愛く鳴いてる時の顔とか首筋に顔埋めた時の香りとか…まだ色々上げだしたら二時間以上は軽く言えるんだけど今はこれ位にしておくことにして、もうともかく兄さんの存在そのものにその全てに陶酔して狂っているからに決まってるじゃないか!……って、あれ?」
 熱く握った拳を高々と振り上げて熱弁を奮うアルは、はたと兄の姿が消えている事に気付く。
「兄さん?何処行ったのにいさーん、兄さんっってば本当に恥ずかしがり屋さんなんだからー出ておいでよ直ぐにでも可愛がってあげるからー」
 そしてアルが暴走しつつ兄を探しているその時。
「あ、精神科はそっちでいいですか?今直ぐ診て頂きたい奴が一人いるんですけど…ええ少し錯乱してるんですよ本人正気だって言ってるんですけどね」
 兄は一人こっそりと病院へ電話をかけていた。
 己の身の安全の為だけに。
 
 
 



 S.E.E〜Super Eccentric Erlic〜 No.1  20005.3.2

正直に言います、ただの馬鹿兄弟ネタが書きたかったんです。
しかもオレが滅多に書かない下ネタ系のギャグを。
なのに気が付いたらかなり妙な兄弟になっていましたよ……(汗)
一応アルエドだけど方向的にはリバありな感じの二人。しかも兄さんアルに対しての恋愛感情結構希薄……反面アルの兄さんに対する感情はもう押せ押せイケイケアゲアゲでGO!な感じです(笑)

しかもこれ続いてんだから笑えねぇや……
 

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