「もうじき梅雨だってな。管理人が嘆いてる」
「管理人なんてどうでも良いよ…梅雨時になると右足が重くて痛くて末梢神経緩和剤の世話になってるとか髪の毛がくせ毛で巻いて仕方無くてストパーかけるか迷ってるとか洗濯物が乾かない時期だってのに湿度が苦手だから参ってるとかそういうネタでしょまた」
「何だお前、意外と管理人の動向探ってるな」
「別にー……全くあの女、いつになったらまじめにボクと兄さんのえっち書く気なんだろうか」
「さぁなぁ…オレとしてはもうこのままの」
「なんか言った、兄さん?」(にっこり氷の微笑)
「い、いや何も」
「それよりさ、管理人からこんなモノが届いたんだけど」
「……あ?」
「そう見てもこれ、衣装ケース、だよね」
「で、見たのか?」
「…見ました」
「で、何だ?」
「…聞きたい?」
「ああ」
「…見たい?」
「お、おう」
「…着て、みたい?」
「へ?」
「サイズは紛れも無く兄さん用なんだよね」
「あん?」
「上手いデザインだよなぁ…胸元に大きめのモチーフがあるから胸無くても平気だし」
「…まさか」
「兄さん、ボクと一生添い遂げてくれる、よね?」
「そ、そりゃぁ、なぁ……」
「兄さん、事実上僕らは法の下で婚儀をかわす事は出来ないけど、カタチだけでもそれをする事は出来る、そうだよね?」
「あ、ああ」
「ボク、出来れば皆に祝福されて兄さんと共に生きる事を誓いたいんだけれども」
「ア、アル…フォンス?」
「兄さん、人前結婚式とかには興味」
「あるかぼけぇ!!!」
「何だ、じゃぁ結局これ無駄かぁ…管理人、6月だからってウエディングドレス送って来たんだよ」
「やっぱりそうか…そんな事じゃねぇかと思ったぜ」
「でもさぁ、ボク夢ではあるんだよね。別に兄さんにドレス着てなんて言いやしないからさ。皆の前でずっと一緒だよって改めて兄さんに誓いたいんだ」
「……乙女だな、弟よ」
「あ、ひどい、笑った!」
「あ、いや、すまん……でもさぁ」
「何?」
「そんな事としなくても、この体も心も全部お前に捧げてるんだから良いだろ。この身、この心…全部。それじゃ、不満か?」
「兄、さん……」
「仕方ねぇな、真似事だけど着てやるよそれ。その代わり写真は死んでも撮るな、後に残すな、いいな!」
「い、いやそのあの……兄さんボクとしてはドレス着なくても……」
「へ?いいのそれで?」
「で、その代わりと言っては何なんですが……一つだけボクのお願い聞いて、兄さん」
「ん?なんだ?」
「こっ、このガ−ターとベールだけ身に纏って、ベッドの上でボクを誘って…っ!」
「ドレス着る方がよっぽど健全だこの底抜けド阿呆が―――!!!」(殴)
『だって全裸にガーターは男のロマンなんだよ!?』(Byアルフォンス・エルリック)
『六月の花嫁』 2005.6.4
なんだかタイトルと内容が旨くがっちった感じです。
オレ的にはアルフォンスは可愛くて仕方無いんですが……あと兄貴気っ風の良さが楽しかった(笑)
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